idea factory from newspaper 2003 12 22
テレビ政治(tele-politics)
世論調査では、内閣支持率が落ちて、
不支持率が上昇した。
自衛隊派遣の問題が影響しているとも言えるが、
本質的には、テレビ政治に、有権者が、うんざりしているということでしょう。
要するに、小泉番組、小泉劇場は、飽きたということでしょう。
まるでテレビ番組を作るように、
視聴者受けを狙って、政権運営をしている。
しかし、仕事はしていない。
年金の改革は先送り。
消費税を含めた税制改革は先送り。
道路公団の改革も先送りの予定。
憲法改正の議論も先送り。
はっきり言って、テレビが普及するようになって、
政治家の実力が落ちた。
「有権者の支持率=テレビの視聴率」と考えて、
いかに、視聴者受けをするか、そればかりを考えて、
政策を考えなくなった。
現代では、テレビマンと政治家の仕事が、同質となった。
さらに、最近では、「政治家のアナウンサー化」も進んでいる。
アナウンサー announcer 2003 9 19
アナウンサーとは、用意された原稿を読む人のことである。
しかし、日本の大臣も、アナウンサーである。
まず、大臣就任あいさつ。
これは、実は、ある程度、官僚が事前に作成して用意してあります。
もちろん、能力ある人は、官僚が用意した「大臣就任あいさつ」は必要ありません。
次に、談話やコメントも、基本的に、官僚が作成しています。
さらに、国会答弁。
これも、官僚が、事前に答弁書を作成して用意してあります。
なぜ、事前に答弁書が作れるかというと、
国会での質問者は、何日も前から、事前にわかっているのです。
だから、若手官僚が、質問する議員のところへ行って、
事前に質問内容を聞いてくるのです。
ここは、野党議員も癒着していますので、
質問内容を官僚に教えてくれます。
そこで、教えてもらった質問内容を省内に持ち帰って、
答弁書を作成するのです。
よくわかりせんが、課長補佐あたりが、答弁書の原案を書いて、
課長と協議して、最終的には、局長に目を通してもらうのかもしれません。
そして、答弁書が完成したら、大臣に手渡すというシステムです。
何日か後の国会で、予定された質問を、野党議員が、予定どおり行い、
大臣は、事前に用意された答弁書を読むという芝居です。
できの悪い芝居です。
大臣、官僚、野党議員、長年に渡る癒着構造です。
たまに、意地悪な野党議員がいて、事前に教えた質問と違う質問をする時があります。
こういう時は、大臣は、立ち往生して、後ろに控えている局長に助けを求めるのです。
また、何か建物の完成記念式典で、大臣が、よく、あいさつしますが、
このあいさつ文も、官僚が事前に作成したものです。
極端な話、誰でも大臣はできます。
サラリーマンでも、自営業者でも、できます。
実は、同じ構造が、地方議会でも、あります。